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牧草を求め牛を島から島へと海を泳いで渡らせるという島根県隠岐諸島知夫里島の古くからの風習にちなんで作られ、2007年8月末に発売された「およぎ牛弁当」。

　京王百貨店新宿店は1月10日（木）より、名物催事「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」を7階大催場で開催する。

　13日間で売上高6億円以上という百貨店の物産展としては最大級の規模の同展は、約30種類の駅弁を集めて開催した第1回（1966年）以来、毎年1回開催し、近年では年明けの新春恒例の催事として定着してきた。地域を象徴する食材や独自の調理法で作られた駅弁が集まり、別名「駅弁甲子園」とも呼ばれ、第39回（2004年）以降は全国47都道府県の駅弁約200種類もの駅弁を用意するまでとなった。人気の駅弁には行列の長さが話題に上るほどで、集客も大会期間中の週末には通常より3割多い10万人以上が新宿店に足を運ぶという。

　43回目となる同展の注目は、やはり「駅弁対決シリーズ」。第33回大会（1998年）から続く人気シリーズで、同種の素材ながら、その地域の特徴があり、こだわりを感じる駅弁の実演を見比べ、食べ比べて楽しめるという内容。今回は、近ごろ海鮮弁当と肩を並べるほど人気の高い「牛肉」をテーマにした再対決と、来場者のリクエストから実現した新対決の2本立てで会場を盛り上げる。

　第35回大会（2000年）以来2度目となる「牛肉」対決には、3つの駅弁が登場。山形県産米「どまん中」の上に山形県産牛のそぼろを散らし、牛ロースをのせた昨年実演販売の売り上げ個数2位の実績を誇る、山形県・奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」（1,000円）と、兵庫県産牛の薄切り肉と玉ねぎをこだわりのしょう油ベースのタレで煮てすき焼き風に仕上げた「福廼屋総合食品」によるリニューアル弁当、兵庫県・山陰本線和田山駅「但馬の里 牛肉弁当 牛王」（1,100円）、島根和牛の一種「潮凪牛」の薄切り肉を地元のしょう油と酒で甘辛煮にし、しぐれ煮とともに島根県産コシヒカリにのせた初登場の、島根県・山陰本線松江駅「およぎ牛弁当」（1,200円）を、それぞれ実演販売する。

　近郊の駅弁対決では伊豆半島と房総半島を取り上げ、それぞれの駅弁が初登場。「車で移動することが多いため、なかなか食べる機会のない関東近郊の駅弁を取り上げてほしい」というリクエストにちなんだもので、メバチマグロのヅケを揚げしょう油ベースの甘辛ダレで絡めた2切れと、ヅケマグロの素揚げの2切れを酢飯にのせた、静岡県・東海道本線沼津駅「二色まぐろ重」（980円）と、南房総勝浦漁港のカツオをヅケにし炙って仕上げ、食べる直前にスダチベースの特製ダレをかける、千葉県・総武本線千葉駅「勝浦鰹のたたき漬け炙り盛り」（920円）を実演販売。

　日本各地で地域の生活を支えるローカル線にスポットを当てた「頑張れローカル線」シリーズには、熊本県八代駅〜鹿児島県薩摩川内駅を結ぶ肥薩おれんじ鉄道を取り上げ、出水駅の人気弁当「えびめし」に黒豚を組み合わせた新作「特製えびめし」（1,000円）が初登場する。

　地域おこしの一環として日本全国で活発化する「B級ご当地グルメ」だが、静岡県のB級ご当地グルメとして人気の高い「富士宮やきそば」の駅弁が、同展に特別バージョンで初登場。メーンの焼きそばを増量して錦糸卵と桜えびをのせ、国産うなぎのかば焼きをトッピングした桜えびの炊き込みご飯も詰め合せた、身延線富士宮駅「富士宮やきそば弁当」（780円）を実演販売する。実演は、焼きそばによる街おこしで有名になった「富士宮やきそば学会」会員が行うという。

　人気の「復刻駅弁」シリーズには、東京オリンピック開催や東海道新幹線開業などにより増える海外からの観光客向けに1964年に企画され、東京駅で販売された洋風弁当「チキン弁当」の復刻版が初登場。素朴なケチャップライスにしょう油味の空揚げ、ポテトチップス、ショウガ甘酢漬けが入った2段重ねの「復刻チキン弁当」（800円）を販売する。

　同店では駅弁催事の認知度向上と来店促進を図るため、2006年から特別ウエブサイト「駅弁大会への道」を開設。大会の目玉企画や人気駅弁の紹介、駅弁業者の大会への意気込み、大会準備の苦労話など約40日間にわたり、随時更新する。

　会期は、同22日（火）まで（16日と最終日は17時閉場）。

京王百貨店新宿店「駅弁大会への道 ‘08」