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セバスチャン・ブイエさんが提案する、プリフィクスのデセールは、（左）「サレ」＝マカロンピマン、トマトのモッツァレラ ギモーブオリーブオイル バルサミコソースと、（右）「シュクレ」＝マカロン バニーユ・フランボワーズ フランボワーズソース、プチフールフランボワーズ、マカロン グリュットを盛り合わせ。

　伊勢丹新宿店は11月7日（水）より、2回目となる「フランス展」を本館6階の催物場で開催する。

　同展は、「美食にかける情熱に出合う」をテーマに、美食の街といわれるリヨンを特集し、歴史がありながらも「伝統」と「革新」が混在しているリヨンの「今」の食を紹介するもの。新しいリヨンの食の担い手としてめざましい活躍を繰り広げる4人のシェフやショコラティエ、パティシエたちが来日し、それぞれの世界観を含めた味わいをイートインやショップで披露する。

　フィリップ・ベルナシオンさんがショコラティエを務めるリヨンの老舗ショコラトリー「ベルナシオン」は、ショコラの素材となるクーベルチュールから自家製というフランスでも数少ない店で、高い評価を受けながらも支店を出さず、本店のみで家族経営を続けている名店。同展では、日本初の試みとして本店に併設するサロン・ド・テを会場内に再現し、サロンでしか味わえないメニューを展開。ジェノワーズ生地にキルッシュで漬け込んだフリュイコンフィとカスタードクリームをサンドし、マジパンで包んだケーキ「アンバサダー」（525円）をはじめ、アーモンド風味のダコワーズ生地でガナッシュクリームを包み込んだ「エヴァンタイユ」（525円）などの伝統のケーキや、自家製の「ショコラショー」（840円）を提供する。

　最年少での「ルレ・デセール」会員認定をはじめ、豊富な受賞歴と実力で「リヨンの若き天才」と言われ、リヨンと同店地下1階でショップを展開するパティシエのセバスチャン・ブイエさんはイートインを開設。代表作のカラフルなマカロンを使い、常設店では味わうことができない新しい楽しみ方を提案。塩味のサレと甘いシュクレで構成したプリフィクスのデセールメニュー「サレ・シュクレ デセールセット」（1,470円）をはじめ、マカロンをショコラでフォンデュするスペシャルメニュー「マカロン フォンデュ」（マカロン3種、ショコラフォンデュのセット＝945円）などを提供する。

　ブルターニュ出身で2003年にリヨンへ自分の店をオープン、今年2007年には2ツ星を獲得。肉料理が主流のリヨンの食文化に魚料理を多く取り入れ、洗練されたモダン・フレンチを提供し、現地でも予約は困難な最も注目されているシェフのニコラ・ル ベックさんもイートインを開設。「スズキのポシェ、貝類のジュと蛸のマリニエール」（2,100円）や「うなぎ・仔鳩・フォアグラ・雌鳥のジュレで仕立てたテリーヌ」（2,100円）など、今回のために考案した特別メニューを展開する。イートインでは、前菜、主菜、デザート、ドリンクのプチコースも用意。

　子供のころからパン職人の修行を行い、製粉屋の営業兼デモンストレーターを経て自身の店をオープン、現在はミシュラン3ツ星レストランをはじめ、リヨン市内の50軒もの店にパンをデリバリーする「ジョクトー ブーランジェ」のパン職人、フィリップ-マーク・ジョクトーさん。寝かしだけに12〜15時間もかけ、手を惜しまず、昔からの方法で作ったパンは「正しいものをきちんと作る」と、リヨンの　多くのシェフたちに評価されている。会場では粉からパン作りを行い、焼き上げたできたての「バゲット」（840円）をはじめ、「パンドミー」（1,050円）、「パンオノア（＝くるみパン）」（840円）などを提供する。

　同展を手がけたMD統括部食品営業部催事担当の平田純一バイヤーは「リヨンの『今』の食文化を引っ張っている4人が来日することが今展の原動力になっている。それぞれが提供するおいしさだけではない、（味の根底に息づく）4人のエスプリや考え方、信念も伝えることで、フランス・リヨン食文化の『本質』『本物』を伝えて行きたい」と意気込みを語っている。

　ほかにも、クーベルチュール作りから自社で手がけ、同店で1月に行うチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ」でも人気の高い「プラリュ」のショコラティエ、フランソワ・プラリュさんも来日し、パティスリーとして出店。プラリネ作りから再現し、ピンク色のプラリネを生地に練り込んで焼き上げた華やかでパリらしさあふれる「ブリオッシュ・ド・プラリュ」（直径約10センチ＝420円）を販売する。

　会場では、「ワインの王様」と言われるブルゴーニュワインにも注目。ブルゴーニュの南北に延びる一帯「黄金の丘」から、期待の作り手が生み出すナチュラルワインが登場。小規模生産者「ドメーヌ・ノーダン・フェラン」5代目のクレール・ノーダンさんが手がける、有機農法を用い、可能な限り農薬を使わない「リュット・レゾネ栽培法」で育てたブドウを使ったワインや、ブルゴーニュの数々のドメーヌの評価を上げたカナダ人醸造家、パスカル・マルシャンさんが手がける、有機栽培法「ビオディナミ」で育てたブドウを使ったワイン、また味わい、知名度、希少性から愛好家たちが認める「スーパースター」生産者たちのワインなども取りそろえる。

　会期は同12日（月）まで（最終日は18時閉場）。

伊勢丹新宿本店