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松坂屋名古屋店限定販売する復刻菓子「かほうもの」（右）と、「福寿千萬」（左）

　松坂屋名古屋店が全館挙げて開催するイベント「にほんのよきもの」（6月1日〜14日）に合わせ、地下1階の老舗「両口屋是清」は和菓子「かほうもの」を松坂屋名古屋店限定で復刻し、イベント初日より期間限定販売を始めた。

【画像】尾張徳川家への献上菓子を納めていたという「通筥（かよいばこ）」

　同品は、香ばしいクルミとゴマを餡（あん）に練り込み、干しぶどうをあしらった素朴な焼き菓子。「40年以上前に店頭で販売していた商品で、今回のイベントタイトルの『よきもの』に合わせ、縁起のいい名前から選んだ」と話す同社広報の近藤美香さん。「果報者」とは「幸せ者」という意味で、その名のように焼き菓子に練り込んだクルミは古くから「実り」「夫婦円満」などを表す象徴とされ、縁起のいい食材といわれてきた。ゴマも栄養価が高く、別名「長生」と呼ばれ、長生きを願って食べられてきた食材だ。さらに「両口屋是清は昔から、和菓子ならではの焼き菓子も得意だったこともあり、素朴ながら味わい深い『かほうもの』を復刻するに至った」という。

　菓子の姿は当時のものながら、味わいはそのまま復刻するのではなく、餡に練り込んだクルミは食感を楽しめるよう刻んだものを使い、ゴマの香ばしい風味と粒感も楽しめるようにするなど現代に合わせてアレンジ。この餡を卵生地で包み、菓子の表面に卵黄やみりん、しょうゆで照りを加えた。

　同品のほか今回特別に作られたという、かわいい一口サイズで人気の定番商品「おときき山」を元に、柔らかでコクのある卵を使った生地でしっとりと口溶け滑らかな白餡を包み込み、木型を使い小判型に仕立て焼き上げた「福寿千萬」も合わせて販売する。

　「女性が食べやすいよう菓子の大きさに配慮し、いずれも手のひらサイズに仕上げた」と近藤さん。価格は、「かほうもの」3個、「福寿千萬」3個の計6個入りで1箱1,296円。

　今回のイベントに合わせ、同社に古くから伝わる「通筥（かよいはこ）」を店頭横のスペースで特別展示。「通筥」とは、「第ニ代尾張藩主・徳川光友公より直筆の、『御菓子所　両口屋是清』の表看板を賜った1686（貞享3）年頃より、尾張徳川家の殿様に菓子を献上する際に使っていた」という、「葵」の紋が施された五段重ねの菓子専用の重箱。400年余り昔に名古屋の殿様が愛したお茶の文化は今でも受け継がれ名古屋のこの地に根付いていることもあり、その時代に思いをはせてみてほしいと披露することになったという。

　販売は同14日（火）まで。

両口屋是清松坂屋名古屋店