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デーリーな日本茶を取りそろえた「伊右衛門」初のリアル店舗店頭

　日本茶のペットボトルでなじみ深い「伊右衛門」のリアル店舗が小田急百貨店のハルク地下2階に初登場し、中高年層だけでなく日本茶に関心を寄せる若者にも話題を呼んでいる。

　場所はフロア中央の、和菓子店「京都嵯峨春秋庵」「巴屋」「日本橋屋長兵衛」に隣接する一角。店内では「日常のお茶を、手軽においしく」をコンセプトに、「ペットボトルで日本茶を親しんだ人に向け、茶葉で味わう日本茶の良さを知ってほしい」と、デーリーで楽しめる日本茶を販売する。

　手がけるのは京都の老舗「福寿園」。深緑に○茶と「伊右衛門」を白で染め抜いたなじみののれんをアクセントにした店内には、昔ながらの茶箱を置くなど、落ち着いた雰囲気に仕上げた。

　デーリーな茶葉を扱う販売店で出店するのは今回が初めて。小田急百貨店から出店の話を受け、「1号店にふさわしい場所」という福寿園営業本部の加登啓嗣さん。店内では夏なら水出し、冬なら急須でと「自分で日本茶を入れる楽しみを知っていただきたい」ため試飲を実施するとともに、茶器の選び方、いれ方などのアドバイスを行う。

　「コーヒーや紅茶にはこだわりや知識を持ち楽しむが、日本茶は身近過ぎるのか、いれ方など知らない人が多い。ペットボトルのお茶は手軽だが、茶葉だと自分好みの濃さに入れられるので面倒に思ったり難しく考えたりせず、自分なりのおいしさを追求し楽しんでほしい」と加登さん。

　商品は、「かりがねほうじ茶」「浅炒りほうじ茶」「ほうじ茶」のほうじ茶3品を中心に、抹茶、玉露、煎茶（せんちゃ）、玄米茶、かぶせ茶と全47種類を展開。TPOに合わせて楽しめる少量の平缶入りから大缶入など20種類（368円〜3,150円）、「お買得」な袋入り12種類（420円〜1,575円）、手軽に利用できる日本茶の三角ティーバッグ6種類（368円〜893円）。ギフトセットでは、あらかじめ詰め合わせた商品（1,050円〜10,500円）のほか、好みの商品を詰め合わせることも可能。日本茶を求める海外の観光客に合わせ、パッケージには英語表記も取り入れた。

　出店して1カ月以上がたった。リピーターも着実に増え、購入客の年齢幅も広がっているという。「ペットボトルでの日本茶をきっかけにお茶を飲む人が増えた。『次は茶葉での日本茶』と購入客が広がっているようで、これからが楽しみなところ」と期待を寄せる、新宿小田急食品部の大沢正直バイヤー。

　今後は店頭で積極的に試飲を行い、より日本茶に親しんでもらえるよう「お茶のいれ方教室」のようなイベントも企画していきたいという加登さん。「ストレスの多い日常に一杯のお茶を急須でいれ、ゆっくり味わうことは、自分自身にとってもぜいたくな時間になるのでは。この時間をリラックスしたり、リフレッシュしたり、家族間ではコミュニケーションに費やしたりと楽しんでほしい」とも。

小田急百貨店新宿店福寿園　（伊右衛門）