幸せの箱

特集／コラム

【コラム】2002-12-17

2002/12/17

私はケーキショップに不似合いなおじさんサラリーマン（失礼します）が女性人にまぎれてショーウインドーの前に並んでいるのを見かけるのが好きだ。「あぁ、あの人には温かい大切なものが待っているんだなぁ」なんて思ってしまう。並んでいるおじさんは、ケーキなんて興味がなさそうで眉間に皺が寄っていたり、仕事帰りで疲労感がにじんでいたりして、「適当に詰めて」なんて面倒くさそうに店員に言っているけど、きっとケーキを渡す時の誰かの笑顔が見たくって並んでいるんだよね。そう思うと私も温かい気持ちになってしまう。

私も今週嬉しい一つの箱を買った。

銀座三越の地下一階のケーキショップ「GIOTTO（ジョトォ）」。ここのケーキはどれも見た目が凄い！これはケーキと言うよりもアートの粋に達していると思う。かわいいケーキがショーケースに沢山並べられていて、かなり迷ったけど私は4つのケーキを選んだ。モンブランと、ミルクティーと、フルーツタルトと、フェデリコ（チョコレートケーキ）お勧めはミルクティー。女の子4人で食べたんだけど、みんな絶賛していた。ミルクティー味の生クリームが沢山入ったシフォンケーキ？なんだけど、形がシフォンの形ではないので、食べる前から「何これ？」的な期待が高まるし、食べてもシフォンだと気づく人も少ないと思う。それとフェデリコも美味しかった。濃厚なチョコレートは変な甘さを残さないで舌に程よい重さを残すってかんじ。で、うっ甘すぎるかな？って思う頃にケーキの中に薄く塗られたベリーソースの甘酸っぱさが甘すぎる感じに歯止めをかけているので、飽きない。嬉しかったのは一つ一つ丁寧に箱詰めしてくれて、ケーキを入れる箱自体も可愛かった事。この店は、お持ち帰りケーキの喜びを全部満たしてくれたと思う。

お持ち帰りケーキの喜びの条件

まず、ケーキを買って帰ろうと思う楽しみ。次にケーキ屋を選ぶ楽しみ。ショーケースからケーキを選ぶ楽しみ。ケーキの袋を持って歩く家路の楽しみ。「ケーキ買って来たよ」って報告した時の相手の笑顔。箱を開ける時のドキドキ。箱を開けたときの皆の笑顔。そして、ケーキの美味しさ。「GIOTTO（ジョトォ）」さんありがとう。

デパ地下に行くという事は、自分が美味しいものが食べたいのも勿論なんだけど、誰かに美味しいものを食べさせたいって云う気持ちも多いんですよね。デパ地下が好きな人って云うのは人好きって事なんだろうなぁ。

ちなみにこの時期だからなのかな、デパ地下はかなり混んでました。