デパチカドットコム

写真を拡大

「三越スイーツ庭園in kagoshima」の園内

　鹿児島三越7階に3月3日（土）、南九州初のスイーツフードテーマパーク「三越スイーツ庭園in kagoshima」がオープンした。同階のフロア面積は約957平方メートル（約290坪）。

　同園は、「池袋餃子スタジアム」「自由が丘スイーツフォレスト」「横濱カレーミュージアム」をはじめ、全国で数々のフードテーマパークを手がけてきたナムコのフードエンターテインメントプロデュース集団「チームナンジャ」との共同企画によるもので、同店リニューアル後の集客の核を狙う。同社広報スタッフによると、「新規商業施設の開業で激変する鹿児島市の中で、鹿児島市の中心の天文館地区を活性化したい」ことから、百貨店として初のフードテーマパーク導入に踏み切ったという。同園では、初年度120万人を動員し5億円の売り上げを見込む。

　テーマは「Sweets Evolution（スイーツ エボリューション＝進化するスイーツ文化）」。地方の百貨店では難しかった有名パティシエやスイーツ・クリエーターが手がける「出来たてスイーツ」を集め、鹿児島のスイーツ文化に「新しい風」を巻き起こし、最先端のスイーツトレンドを紹介しながら新たな発信地を目指す。

　鹿児島に古くから伝わる「七夕伝説」をイメージした園内は、「出会イノ森」「甘イ記憶」「流レツイタ羽衣」などストーリー性のあるシーンで構成。各店ともガラス張りの厨房を設けることで作りたてのスイーツを提供するだけでなく、パティシエたちの技を見ることができたり、話をするチャンスも園内での楽しみ。またイートインスペースを併設し、園内の屋外テラス席も含め約150席でゆったりとした雰囲気でスイーツの食べ比べもできる。

　出店するのは、東京・赤坂にカフェ＆バーを出店する「ピルエット」の新業態店でパッケージにまでこだわりを見せる「ラ・ピルエット・アン」をはじめ、有名パティシエのパティスリーとして人気の東京・白金の「パティスリー アトリエ ド リーブ」や「菓子工房 プロヴァンス」、北海道・富良野の「菓子工房 フラノデリス」、バラエティー大福が話題の「モチクリーム」、自家製香港スイーツとドリンクの専門店「HONGKONG SWEETS果香（かか）」、和風甘味を現代風にアレンジした東京・南麻布の「麻布茶房」、マイナス30度の鉄板上でアイスクリームと新鮮なフルーツやナッツをその場で混ぜ合わせて作る新感覚アイス「マジックアイス」と、全店鹿児島県初出店の8店舗。「ラ・ピルエット・アン」の地元名産の知覧茶を使った「知覧茶マカロン」（1個210円、1日限定30個）や、「マジックアイス」の鹿児島名物のかるかんを使った「かるかんバナナ」（501円〜）など、同店でしか味わえないスイーツ庭園限定スイーツもそろう。

　オープン初日の同3日は、「待ち望んでいた」という女性客たちだけでなくスイーツ好きの男性やカップル、家族連れなど約1万人を動員した。「並ぶ」ことになれていない地元の利用客が開店と同時に詰めかけ、全店舗で行列ができた。アイスを作るパフォーマンスで知られる「マジックアイス」では待ち時間が120分だったという。同5日は平日にもかかわらず、約7千人が来園し、1日3千人の目標を2倍以上も上回った。一番人気だったのは「菓子工房 フラノデリス」。「ふらの牛乳」を使って牛乳瓶のまま焼き上げた、とろとろなめらかな食感の「ふらの牛乳プリン」（1瓶315円）は1日800本が15時には完売した。

　また、地下1階の食料品売場も7階からの「シャワー効果」で、洋菓子売場や全国の銘菓を集めた「菓遊庵」はともに2倍の売り上げを記録したという。同社広報スタッフは「今まで南九州エリアにはフードテーマパークがなかったので、楽しんでもらえてうれしい」と話しており、「連日大混雑で土曜・日曜の昼間はピークになるため、午前中から来園した方が比較的食べやすい」とのアドバイスも。

　同園では期間限定で店舗の入れ替え（「フラノデリス」は5月末頃までの予定）もあり、シーズンごとにテーマを企画し、今後も次々と新たなスイーツを提案していく予定。

鹿児島三越