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今展のテーマ「『瑞々（みずみず）しさ』で食の夏情緒を先駆ける」にちなみ、葛を使った生菓子「風のにほい」（左）と、「よろこび（七が3つの旧漢字）」

　老舗和菓子店「両口屋是清」は、日本橋三越本店の本館1階中央ホールと地下1階和菓子売り場で4月6日（水）より開催の「第70回 全国銘菓展」に出店し、限定菓子を販売している。

【画像】「和菓子のアン」に登場する5月の生菓子

　老舗や名店の銘菓が集結する今展のテーマは「『瑞々（みずみず）しさ』で食の夏情緒を先駆ける」。会場には「葛（くず）」を使った生菓子が登場。同ブランドでは吉野本葛を使い、テーマに沿った2種類の限定生菓子を展開する。

　「風のにほい」（357円）は、紫に染めた吉野本葛に道明寺を加えて練り上げ、緑に染めた餡（あん）を包んだ生菓子。新緑の間を吹く風が、若葉の香りを漂わせる初夏の風情を表現した。
「よろこび（七が3つの旧漢字）」（357円）は紅白に染め分けた吉野本葛をあられ模様に流した生菓子。70回の開催を迎えた同展を祝い、「よろこび」を表現した。

　同ブランドは、坂木司さんのベストセラー小説「和菓子のアン」の続編「アンと青春」の刊行を記念し、全国各地の和菓子店が作中に登場する和菓子を再現する特別企画にも参加。本館1階に登場する仮想店舗「みつ屋日本橋三越店」では、小説に登場する「鵲（カササギ）」「福寿草」「薔薇」「柚子香」の4種類を期間限定で販売する。価格は全て1個324円。

　春夏の菓子を展開する初日〜9日（土）に登場するのは、小豆こし餡を練薯蕷（ねりじょうよ）で包み、絞って仕上げた、「幸せを招く」という花言葉がある「福寿草」と、小豆粒餡（つぶあん）を焼き皮で包み、バラの幾重にも重なる花びらを表現した「薔薇」。

　秋冬の菓子を展開する4月10日（日）〜12日（火）に登場するのは、小豆こし餡を葛で包み、七夕の夜を表現した「鵲」と、黄金色に染めた道明寺で小豆粒餡を包み、ユズをかたどった「柚子香」。

　会期を通して登場するのは、「アンと青春」の最終話「秋の道行き」で重要なキーとなった「はじまりのかがやき」。黄色と赤に染めた白小豆こし餡を、白と青のういろう生地に寒天を重ねた生地で作った千代結びで包んだ生菓子。菓子の表面に金箔（きんぱく）を施し、水面（みなも）のきらめきを表現した。

　会期は同12日（火）まで。

「和菓子のアン」に登場する8月の生菓子（関連画像）両口屋是清