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杏にトウガラシを加えたオリジナルソースがポイントの「和風プリン杏とうがらしソース」（ISSUI）

　伊勢丹新宿店は5月5日（水・祝）より、地元東京に焦点を当て東京産野菜や江戸前鮮魚などを扱う「江戸・東京特集」を本館地下1階食品フロアで開催している。

　同企画は、東京を代表する伝統の味わいを取りそろえ展開する「フード コレクション」との連動によるもの。食品フロア全体では「立川うど」「奥多摩わさび」「千寿ねぎ」「檜原まいたけ」など、一時は衰退しかけたものの継承や復刻を通して復興の兆しを見せる東京産の伝統野菜や、東京湾で捕れるアナゴや白ミル貝、キス、マコガレイなどを取り上げ、それぞれを使った天ぷらやすし、サラダなどの総菜や菓子を和風から洋風まで多彩に用意し販売する。

　フレッシュマーケットではそれぞれの野菜や鮮魚そのものも販売。畜産では「東京しゃも」「TOKYO X」を取り上げ、焼き鳥やトンカツに仕立てるほか、多摩地区の酪農家が作り上げた「東京牛乳」や、農薬不使用の夏みかんを使った「世田谷マーマレード」も東京ブランドとして紹介する。

　中でも注目はトウガラシを使った特別企画品。江戸時代に宿場の一つだった内藤新宿（現在の新宿御苑周辺）。当時、この一帯の藩主だった内藤家の屋敷畑や周辺一体は、赤い絨毯が敷かれたようにトウガラシが実っていたといわれている。今回、地域の食物や伝統食を守り伝承する活動に取り組む「スローフード江戸東京」協力の下、この「内藤とうがらし」と同じ八房系種のトウガラシを使い、「穏やかな辛み」だけでなく野菜としても「豊かな風味を感じられる」という八房系種トウガラシの普及に同店が賛同、トウガラシを使った和洋中幅広いアイテムを展開する。

　「ISSUI（イッスイ）」はふんわりした餅とプリンにかける杏ソースにトウガラシを加えた「和風プリン杏とうがらしソース」（1個630円、各日限定10点）を販売するほか、「御笠山」は白餡に白みそとトウガラシを練り込んだミニサイズの「内藤とうがらし味噌」（1個210円、各日限定100点）を、「円果天」は焼き月餅（げっぺい）の「木の実」にトウガラシを混ぜた「月餅 内藤とうがらし」（1個315円、各日限定50点）を販売。ほかにも、みたらし団子（追分だんご本舗極）や、おかき（赤坂柿山）、ピッツア（エディアール）、手羽先（柳香姫の台所 妻家房）などを数量限定で販売する。15日（土）・16日（日）には同じ八房系種トウガラシの苗を各日先着300人に配布する予定（本館7階中央エスカレーター脇特設会場、1人1点限り）。

　今回の企画について、同店食品営業部の出口俊一さんは「『食の安心・安全』だけでなく、オーガニックやナチュラル志向など、食に関するニーズが進化する中、顧客の目線は『第一次生産者の姿勢や哲学』へと向かっている。伊勢丹としても、この顧客の意識に応えるべく、社会貢献や食料自給率向上を踏まえ、少量ながらも真摯（しんし）な姿勢で栽培・漁獲に取り組む生産者農家、漁業家たちに光を当てていきたいと考えている。6月にはそういった各地域の生産者とその産品が一同に会する大きなイベントを予定しており、今回はその前哨戦でもある。今回の企画においては、実は地元東京周辺にも優れた『地元の幸』がたくさんあることを知ってほしい」と話す。

　会期は同18日（火）まで。

「内藤とうがらし」と同じ八房系種は、小粒の実が上部に実るのが大きな特徴（関連画像）伊勢丹新宿店